2012年12月

e-mobility用NTC温度センサ

車載バッテリと駆動系をガードする

EV(電気自動車)やHEV(ハイブリッドカー)のバッテリおよびエンジンなどの駆動系(パワートレイン系)にとって、過度の高温はさまざまな危険をともなう可能性があります。EPCOS NTC温度センサは、その緻密な温度監視により、信頼性と安全性を向上させます。

車載バッテリの環境は、温度変動、機械的ストレス、振動、衝撃、湿気などに左右されます。バッテリはEVやHEVの信頼性と安全性に関わる重要部品であり、継続的に監視しなければなりません。特に、湿気に加えて電界が作用する状態では、センサの不可逆的破壊を引き起こすことがあり、保護機能が不十分あるいは喪失につながるおそれがあります(エレクトロマイグレーションによる)。過酷な条件下でセンサの確実な動作を確保するためには、センサは堅牢かつ耐湿性を備えたハウジングによって保護する必要があります。
自動車メーカやサプライヤが求める温度センサには、形状、特性、応答性、絶縁耐力、端子などについて、それぞれ異なる多様な要件があり、これらに適合したセンサモジュールの開発がきわめて重要になっています。

バッテリ温度の確実な監視
EVやHEVのバッテリは厳密に定められた動作温度において、最適なエネルギー出力を供給します。バッテリの温度を確実に監視・制御することにより、バッテリは過熱から保護され、また耐用年数も最大化します。

EVやHEVのバッテリでは、セルの温度を測定するために多数のNTC温度センサが使用されます。新開発のネジ止め型バッテリ温度計測用EPCOS温度センサ(図1a)は、湿気、結露、機械的ストレスなどに対する高度な要求に最適化されており、量産自動車用として使用できます。センサは堅牢かつ耐湿を備えたハウジングからなり、その内部にNTCサーミスタ素子が内蔵されています。このセンサハウジングは、新開発の素材と工程の見直しによって実現されました。センサは先端の金属リング部のねじ止めによって簡単に装着・固定されます。

バッテリ温度測定用として、25℃において10kΩの物をネジ止めタイプ標準品としていますが、抵抗値及び特性はお客様の要望に応じて最適化いたします。

図1:EPCOS NTC温度センサ

a) バッテリ温度計測用EPCOS NTCセンサ
センサ素子は堅牢なプラスチックのハウジングによって、湿気や機械的ストレスから保護されています。先端の金属リング部のねじ止めによって確実に固定されます。


b) 冷却液温度計測用EPCOS NTCセンサ

NTCチューブ装着型センサは、さまざまな径のチューブに、素早く確実に取り付けることができます。


c) 冷却液温度計測用EPCOS NTCプラグインセンサ
冷却液に耐性を持つ特殊なプラスチック素材がNTC素子を覆い、特有形状のスリーブとともに冷却回路を完全密封しています。


d) ステータ温度計測用のEPCOS NTCセンサ

高い絶縁耐力によって、モータの駆動電流回路と計測電流回路の間のフラッシュオーバーを回避することができます。


バッテリ冷却液の監視は不可欠
EV/HEVのバッテリが、高い信頼性をもって確実に動作することは、自動車メーカにとって最も重要です。充電または放電プロセスによる過負荷により、バッテリセルがダメージを受ける可能性があり、最悪の場合には発火することもあります。設計によっては、これはきわめて深刻なリスクとなり得ます。また、バッテリ冷却液は電力損失による熱を熱交換器に伝導し、放散するため、この温度はきわめて重要な指標です。冷却液温度の測定により、バッテリの動作状態を確実にフィードバックすることができます。新開発のEPCOS冷却液温度計測用NTCセンサ(図1b)は、信頼性の高い温度計測を実現、冷却システムのチューブに直接装着できます。

このセンサの特長は、センサと固定部品を組み合わせたところにあります。これにより、センサをチューブに確実に装着でき、センサと配管の間の、高信頼性で耐振動性の高い接続を確保することができます。センサは冷却システムのチューブに素早く簡単に装着、また取り外しすることが可能です。モジュラー設計品のため、さまざまなチューブ径に合わせることができます。

冷却系におけるセンサシステムの安定性を長期間確保するため、使用素材には特に注意が図られました。これにより、金属電極電位に対する信頼性を確保しています。冷却システムの金属チューブに接触する、小型金属スリーブと内部にモールディングされているNTCサーミスタ素子のすぐれた温度的特性、電気的特性とにより、高速応答性を実現しています。

高温あるいは低温の高湿度環境におけるセンサシステムの耐性についても、特別な注意が向けられています。温度が低下する場合、これらの環境要因は自動車内ひいてはセンサに結露を招きます。この問題には、すでに他のセンサでも利用されているEPCOS独自のプラスチックコーティング設計により、確実に対処することができます。コネクタについても耐湿性を備えています。装着は簡単かつ確実にできる設計となっており、メンテナンス作業を容易におこなえるよう、何度でもチューブへの装着と取り外しが出来ます。

冷却液と接触して計測する温度センサ
温度センサが冷却液に対して直接接触することはないチューブ装着型センサに加え、バッテリ冷却液の温度を直接計測することのできるセンサソリューションも必要とされています。これを実現するための大きな課題は、冷却液に対する耐性を持ちつつ、機械的ストレスが存在していても冷却系の密封性が確実に確保されるセンサを開発することです。新開発のバッテリ冷却液温度計測用EPCOS NTCプラグインセンサはこれらの要件を満たすものです(図1c)。

堅固なNTCサーミスタ素子と冷却液に耐性をもつプラスチック素材を組み合わせたこのセンサシステムは、簡単かつ確実に冷却システムへ統合することができ、きわめて高精度の温度計測を可能にします。また、こうして得られた温度データにより、バッテリ状態の監視やシステムの温度制御を確実におこなうことができます。

ステータ過熱の防止
EVやHEVにおいて、バッテリのほかに基本的なユニットとされるのは駆動モータです。モータの寿命を伸ばしつつ最適パフォーマンスを実現するため、モータの温度を継続的に監視する必要があります。ここで特に重要なのは、ステータの巻線の温度が140 °Cを超える領域で、できる限り正確に検知することです。これは、過熱リスクを回避しつつ、モータの潜在能力を最大限に活用する唯一の方法だからです。ステータの温度計測について、センサに特に求められる要素は、装着が簡単であること、装着や動作の際に発生する可能性があるあらゆる機械的ストレスに対して耐性があること、そして高い絶縁耐力があることです。高い絶縁耐力は、駆動電流回路から計測電流回路へのフラッシュオーバーを防止します。新開発のステータ温度計測用EPCOS NTCセンサは、特にこれらの厳しい要件を満たすように設計されました(図1d)。

このセンサは、ステータの巻線コイルに直接埋め込むために必要とされる高い絶縁耐力を有します。モールディングされたNTCサーミスタ素子は、最大200 °Cの高耐熱性と高速応答性を有します。また、機械的ストレスに対して非常に堅牢であり装着も簡単です。

ほとんどのTDKまたEPCOSセンサと同様に、特性、ケーブル長、コネクタなどをカスタマイズすることも可能です。

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