2012年11月

アルミ電解コンデンサ

ギアレス風力タービンに対応した大容量アルミ電解コンデンサ

新世代のギアレス/フルコンバータ方式の風力タービン(風力発電機)が市場に投入されています。これらの風力発電システムには、大きな静電容量とともに、高い信頼性・耐久性を有するコンデンサが必要とされます。そのためのすぐれたソリューションを提供するのが、EPCOSネジ端子形アルミ電解コンデンサです。

風力タービンを沖合に設置する洋上風力発電の急増により、あらゆる部品の信頼性と耐久性が重視されるようになっています。特に洋上風力発電で使われる風力タービンのロータサイズは大きくなっており、出力電力が倍増すると、ギアボックス(増速機)のトルクは8倍にもなります(図1)。このため、ギアボックスそのもののコストに加え、メンテナンスなどのコストの増大が生じています。この問題を回避するため、近年、風力タービンメーカーでは、ギアレス方式の風力発電システムを導入するようになりました。このシステムの発電機は、電圧690Vの交流と同期します(三相全波ブリッジ整流または12相ブリッジ整流のあとでは約1200V)。このため、全体の電力をコンバータで処理しなければならず、求められる安定性を達成するためには、DCリンクにおけるMW級の電力に対応するきわめて大きな静電容量のコンデンサが必要とされます。

図1:風力タービンの大型化にともなう問題

過去10年にわたる風力タービンのロータの大型化は、出力電力を倍増させました。その一方で、これによりギヤボックス(増速機)のトルクは8倍にまで増大しています。このため、風力タービンメーカーは、より信頼性が高くかつ騒音の低い(人口密集地では重要)ギアレス方式の風力タービンを導入するようになりました。これにより、メンテナンスなどにともなう休止時間も減らせて、コスト負担は大きく軽減されています。


ギアレスで摩耗や損傷とは無縁
全面的に刷新された設計思想に基づくギアレス方式の風力タービン(図2)では、機械的劣化や摩耗を免れない機械的ギアボックスをなくし、パフォーマンスならびに信頼性の向上を達成しています。また、耐用年数は通常の運転条件で20年以上とされ、全期間を通じて高いコストパフォーマンスの運転も求められます。その為、ギアレス方式ではタービン内部の部品がメンテナンスフリーであることは極めて重要であるといえます

とりわけ、ネジ端子形EPCOSアルミ電解コンデンサは、静電容量、信頼性、長寿命、温度特性などの必須要件を満たしており、きわめて優れたソリューションです。

図2:各種風力タービンの方式
上記の可変速発電機の中で、フルスケールのコンバータでのダイレクトドライブ/ギアレス同期発電機方式は、高い出力とメンテナンスコストの大幅な削減とともに、さらなる小型・軽量化も実現しています

EPCOSアルミ電解コンデンサは、発電用の風力に制限がある環境において必要とされる高エネルギー密度を提供します。また、きわめて堅固なネジ端子形は、風力発電機に対応する最先端のダイレクトドライブコンバータに必要とされる最適な性能を提供します。このコンデンサは電力装置の用途に応じて、直列または並列に接続して使用されます。

厳しい要件
ダイレクトドライブ/ギアレス発電機は、ギアボックスをなくしているため、LVRT(low voltage ride through:瞬停時にも系統連系を維持して運転を継続する機能)またFRT(fault ride through:事故時などでも運転を継続する機能)などの厳しいグリッドコード(系統連系要件)に準拠するフルコンバータのコンセプトが必要となります。

このほか考慮すべき重要な設計要因は、グリッド接続コード(図3)です。パワーグリッド(電力網)への接続は、誘導性の(リアクティブな)部品から見て制限のない状態が必要とされます。また、一般的に風力発電装置は、極端な誤動作や予期しない電力供給中断の原因となる可能性のあるグリッドの不平衡効果を避けるため、システム障害が発生している状況においても、接続が維持され、補償が実行される必要がありますが、パワーグリッドへの接続についてはこの要素も満たしている必要があります。

図3:測定された電圧降下の反応

風力発電機のコンバータは、定格電圧の15%に電圧が降下した場合でもグリッド上に維持される必要があります。

風力発電機には特に、グリッド内の障害や負荷変動に起因してグリッドの電圧に一時的な降下が生じる場合でも、それへの適応能力が求められる可能性があります。電圧降下は、単相、二相、またすべての三相交流グリッドで生じます。電圧降下の重大度は、この状態が生じている間の電圧レベル(場合によっては0まで降下する)と、この状態の継続時間によって決定されます。利用方法によっては、システムを一時的にグリッドから切り離す必要が生じるかもしれませんが、この場合、障害状態が収束したのちには再接続して運転を継続しなければなりません。また、運転を継続して、グリッドからの切り離しは行わない場合もあります。さらに接続を継続してグリッドを無効電力でサポートする場合もあります。

風力タービンなどの発電システム(太陽光発電システムも含まれる)について必要とされるLVRTの挙動は、グリッドの運用者が発行するグリッドコードによって定義されます。たとえば、ドイツにおいてはE.On Grid Code、イギリスにおいてはNational Grid Codeが適用されます。

コンピュータセンターや産業プロセス用の供給電力のような重要な負荷については、必要とされるLVRTの性能・動作は用途に応じて定義されます。このことからも、ダイレクトドライブ/ギアレス方式の風力発電機のコンバータには、大電力を処理し、力率を制御するための十分に大きな静電容量が必要とされます。このため、メンテナンスを要する通常の機械式のギアボックスをしのぐ高信頼性の実現のうえでも、最適なコンデンサの選択がきわめて重要になります。

要求度の高いアプリケーションに応じたラインナップ
TDKは、要求の厳しい、又、過酷な環境条件で使用される風力発電機(並びに、さまざまな再生可能エネルギー機器)用途に、広い範囲をカバーするEPCOSアルミ電解コンデンサを提供しています(表)。
とりわけ、ネジ端子形のコンパクトなコンデンサは、高い交流電流負荷の条件下で最大限の信頼性を維持しつつ長寿命を実現しており、あらゆるコンバータの規格仕様に対応して設計者のニーズを満たします。さらには、難燃性、及び、自己消火性の電解液も大きな特長となっています。

EPCOSアルミ電解コンデンサにより、TDKは風力発電機および太陽光発電機に対応するDCリンク用コンデンサの世界最大のメーカとなっています。TDKの幅広いポートフォリオは、あらゆるコンバータの仕様に対応することが可能であり、又、お客様毎の個別要求仕様に必要な技術サポートを提供いたします。

表:風力発電システム向けEPCOSアルミ電解コンデンサ

シリーズ最大動作温度
[°C]
推定寿命
[h]
定格電圧
[V DC]
定格静電容量
[µF]

B43455 / B43457

85

10 000

350から4501000から15 000

B43456 / B43458

85

12 000

350から550560から18 000

B43564 / B43584

85

15 000

350から500820から33 000

B43740 / B43760

105

6000

350から5001000から18 000

B43700 / B43720

85

6000

600

1200から6800

特長

  • 高許容リップル電流
  • 低ESR
  • 低ESL(低インダクタンス設計品で13 nH)
  • 最大20年の長寿命
  • コンパクトなサイズ
  • 最適化された温度特性
  • 極性間違い防止用端子(PAPR)(要望に基づき対応)
  • •基部冷却の特殊設計

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