2014年1月

先進のエンジン制御に貢献するパワーインダクタ

高温・振動にも耐える高信頼性の性能と構造

自動車のエンジンの動作を監視および制御して、エネルギー効率を高めるのがエンジン制御モジュール (ECM)の役割です。エンジン直近に置かれる場合には、耐熱性と高い耐振動性が必要です。TDKのパワーインダクタCLF-Dシリーズは、ECMのようなモジュールの電源における重要部品です。

ECMは自動車のさまざまの機能を管理する多数の電子制御ユニット (ECU)の1つです。ECMは燃料噴射、吸気、排気、冷却まで、エンジン内のすべてのプロセスを監視し制御する役割を担います。その主な目的は、最適な燃料効率と最小限の排気ガス排出量を達成することです。

近年、重いワイヤハーネスをできるだけ短くすることで自動車の軽量化を図るために、ECMはエンジン近くに置かれるようになっています。エンジンに直付けする場合は、ECM(図1)と使用される電子部品は、過酷な環境温度や強い振動に耐えるように設計されなければなりません。

TDKでは、このような用途のために、SMD巻線型のパワーインダクタCLF-Dシリーズを新開発しました。-40~+150 °Cの動作温度範囲をもつ本製品はAEC-Q200に準拠しており、自動車業界からの厳しい要件を満たしています。

図1:ECMの基本設計と構造

パワーインダクタCLF-Dシリーズは、ECMのDC-DCコンバータにおける重要部品。ECMにおける効率的な電力供給の確保に役立ちます。

制御IC向けの降圧DC-DCコンバータ

ECMに使われるDC-DCコンバータは降圧コンバータです。12 V電圧をECMのサブシステムに必要な直流電圧に変換します。その電圧はICに応じて1.2〜5 Vの範囲です。図2に降圧コンバータの基本回路を示します。MOSFETなどのスイッチング素子が直列に接続され、直流電流は周期的にON/OFFされます。この回路における重要な要素の1つは、安定した直流電流を確保するために、スイッチングのデューティ比に応じたエネルギーを蓄積・放出するパワーインダクタです。パワーインダクタはコンデンサとともに平滑回路を形成し、デューティ比によって決まる電圧で出力します。

図2:降圧型コンバータの基本回路図

降圧コンバータにおけるパワーインダクタは、エネルギー貯蔵と出力電圧の平滑化という2つの機能を同時に果たします。

完全自動化された製造プロセスにより高信頼性と高品質を実現

エンジン直近という過酷な環境条件に耐えられるように、パワーインダクタCLF-Dシリーズは、全体に特殊な耐熱材料を採用するとともに、強い振動にも耐えられるよう独自のシンプルな構造に設計されています。

CLF-Dシリーズは、フェライトのドラムコアを用いた巻線型のインダクタです(図3)。干渉や電力損失の原因となる他の電子部品との磁気結合を防止するために、巻線とドラムコアは八角形のフェライトコアによって遮蔽されています。この磁気遮蔽のおかげで、CLF-Dシリーズは高密度実装を容易とし、ECMや他の車載ECUの小型化に寄与します。

また、CLF-Dシリーズはベース部を持たず、より少ない部品で構成されているのも特長です。TDKでは巻線型のSMDパワーインダクタの製造において、巻線と端子接続の両プロセスに新たな自動化機械を導入し、はんだ付けを必要としない設計を取り入れています。本シリーズも完全自動化された製造プロセスにより製造されており、これは完成製品が極めて均質かつ高品質であることを意味しています。

図3:パワーインダクタCLF-Dシリーズの構造

CLF-Dシリーズは、特殊な耐熱材料を採用するとともに、強い振動に耐えられるようにシンプルな構造設計を取り入れています。

高い信頼性と優れたパフォーマンス

タイプによって異なりますが、パワーインダクタCLF-Dシリーズは1~470 μHまでのインダクタンス値および0.37~8.9 Aの定格電流が利用可能です(表)。革新的な設計と強固な素材の採用により、CLF-Dシリーズは最も要求の厳しい車載用電子機器のアプリケーションに最適です。主な特長は次の通りです。

-耐熱材料により最大+150 °Cの幅広い動作温度範囲を実現

-はんだフリー設計

-完全自動化された製造プロセスにより一貫した最高水準の品質を実現

-AEC-Q200準拠

-RoHS指令対応、鉛フリーはんだに対応

 

さらにその高い信頼性により、自動車のECM、ABSシステム、HIDランプ、エアバッグシステムほか、各種車載ECUの電源回路にも適しています。

表:パワーインダクタCLF-Dシリーズの主な仕様

寸法[mm6.9 x 7.2 x 4.5
定格インダクタンス[μH]1470
直流抵抗[Ω]0.00961.42
定格電流* IDC1A

0.438.9

定格電流* IDC2A

0.375.2

動作温度範囲[°C

-40+150

*定格電流はIDC1 とIDC2のいずれか、小さい方の値です。

IDC1:直流重畳に起因して、インダクタンスが初期値を10%下回る電流

IDC2:コイル温度が30 °C増加するときの電流

図4:インダクタンスの周波数特性および直流重畳特性

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