2013年12月

SMD NTCサーミスタ

高精度な温度測定による多彩なソリューション

近年、特に産業用・車載用電子機器の各種アプリケーションにおいて、きわめて高精度の温度測定がますます重要になってきています。EPCOSが新開発した先進の SMD NTCサーミスタは、この分野での最も信頼できる重要部品です。

電子部品が高密度実装されているモジュールなどは、しばしば熱限界に近い温度で使用されます。このため、過熱対策には、正確な温度計測が不可欠です。このような場合に、必要に応じた高精度の温度測定を実現するのが、新開発の小型SMD NTCサーミスタです。回路のインテリジェント化とともに、効果的な制御システムの設計を可能にします。


新開発のSMD NTCサーミスタは、EIA 0402サイズおよびEIA 0603サイズ、公称抵抗値が10 kΩで、公差が±1%、±3%、±5%、という製品ラインナップになっています。高い信頼性と耐劣化性を確保する堅固なガラス封止や、新たな製造技術の導入によってこの狭公差が実現されています。
B定数3455 KのR-T(抵抗値-温度)曲線の傾きは、±1%の狭公差となっています。この狭公差に加えて、すぐれた熱応答性により、本製品は広い温度範囲にわたって正確かつ迅速な温度測定を可能にします。標準シリーズは125℃までの各種アプリケーションに適し、B57230V2103+260タイプ(EIA0402サイズ)およびB57330V2103+260タイプ(EIA 0603サイズ)は、民生用および産業用電子機器の幅広い用途に使用することができます。

迅速な温度測定による正確な電流制御

アプリケーションの代表例は、モバイル機器のバッテリ充電監視です。最先端の充電技術は、バッテリセルの最大許容温度を守るだけでなく、最大許容セル温度においてできる限り最大許容充電電流に近づけることが求められます。充電電流が限界温度までセルを加熱する場合には、セルへの損傷を回避するために、電流をきわめて正確に低減させなければなりません。セルの温度変化の検出がより正確・迅速であるほど、充電電流の調整もより正確・迅速になります。これにより熱過負荷のリスクを避けながら最短時間での充電が可能となります。

急速充電などのアプリケーションでは、周囲とセル間の過度の温度差を回避するために、周囲温度の追加測定が必要になることがあります。その目的で第2のNTCサーミスタが、充電される電子機器の回路基板に直接組み込まれたりします。図1は、この種の代表的な回路を示します。

図1:NTCサーミスタを用いたバッテリの充電監視回路の概略図

急速充電では2つのNTCサーミスタの使用により、バッテリ温度と周囲温度との極端な差が補正されるようになっています。

オーバーヒートから半導体を守る

パワー半導体、ロジックIC、マイクロコントローラやマイクロプロセッサなどは、動作信頼性を確保するために、オーバーヒートから保護する必要があります。 
EPCOSのSMD NTCサーミスタは、EIA0402サイズに代表される小型形状により、マイクロコントローラや、回路基板上の他の発熱部近くに直接実装することが可能です。また、はんだ接合を介した回路基板との良好な熱的接触により、半導体の温度を高精度に監視できます。本SMD NTCサーミスタは対熱衝撃に優れることから、リフローはんだ付けプロセスだけでなく、ウェーブはんだ付け(溶融はんだ浴の波面に基板の下面を接触させるはんだ付け法)にも適しています。したがって、基板の下面(たとえばマイクロコントローラの反対側)にNTCサーミスタを配置する設計により、大きな寸法のマイクロコントローラであっても、きわめて良好な熱接触を作り出すことができます。図2は、マイクロコントローラの代表的な保護回路を示しています。

図2:マイクロコントローラの熱監視

過度の温度では、NTCサーミスタがマイクロコントローラへの供給電圧を抑制します。

LEDの長寿命化に寄与

LED照明システムにおいても、SMD NTCサーミスタが、長寿命化とすぐれた発光効率を保証します。LED照明の効率は、半導体のジャンクション温度に大きく左右されます。過度な温度はパワーや輝度の低下、色あせ、大幅な寿命の短縮などにつながり、最悪の場合では破壊する可能性もあるため、適度な温度にしなければなりません。また、低すぎる温度は、発光効率、すなわち体積比あたりの光量を減少させます。最大効率を達成するために、指定された最適温度(一般的なLEDアプリケーションで70~90°C)を維持する必要があります。

LED照明の回路に、SMD NTCサーミスタが組み込まれていれば、最適動作温度からのずれは、すべてNTCサーミスタ素子の抵抗変化として現れます。これは、コンパレータ(比較器)により、LEDに流れる電流が減少するよう補正されます。結果として、LEDの電力損失が低減するとともに、長寿命化が実現します。LEDの熱監視に対応する回路を図3に示します。LED照明システムの開発者向けに、SMD NTCサーミスタのサンプルキットが利用可能です。

図3:LED照明の温度監視

NTCサーミスタによる温度監視により、LED光源の寿命が大幅に延長します。

標準シリーズに加えて開発された車載シリーズは、AEC-Q200に準拠し+150 °Cまでのアプリケーションに適しています。たとえばECU、空調システム、およびバッテリや充電システムの温度監視などの車載電子機器に使用できます。

EPCOS のSMD NTCサーミスタの主な仕様

タイプシリーズEIAサイズ/寸法[mm]R25 [kΩ]ΔR/R25 [%]温度範囲[°C]
B57232V5103+3601            車載0402 / 1.0 × 0.5 × 0.610±1; ±3; ±5−40 to +150
B57332V5103+3601車載0603 / 1.6 × 0.8 × 0.910±1; ±3; ±5−40 to +150
B57230V2103+2601標準0402 / 1.0 × 0.5 × 0.610±1; ±3; ±5−40 to +150
B57330V2103+2601標準0603 / 1.6 × 0.8 × 0.910±1; ±3; ±5−40 to +150

タイプ名の「+」の部分は、次の抵抗許容差に置き換えてください(F = ± 1%, H = ± 3%, J = ± 5%)。

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