2013年4月

電源用電子部品

高信頼性と安定性の電源用電子部品

TDKは、電源開発メーカー向けに、電源用受動電子部品のすべてが揃う“ワンストップ・ショッピング”を提供しています。例えば、あらゆるタイプのDCリンクコンデンサをカバーしているだけでなく、さまざまなトランス、チョークコイル、保護素子、EMC対策部品など、豊富取り揃えています。

電力線経由のAC電源から給電される電気機器は、しだいに数が少なくなってきています。IT用、コンシューマ用および産業用エレクトロニクス、照明など分野を問わず、多種多様なトポロジーの電源が利用できるようになっています。

電源技術はスイッチング電源のみならず、太陽光発電や風力発電用コンバータ、産業モータ用インバータなども含まれます。また、一口にスイッチング電源といっても、携帯電話の充電アダプタのような数W単位のものから、産業用スイッチング電源のようなkW単位まで多岐にわたります。図1は、スイッチング電源における受動部品からなる整流回路前段の一般的な入力回路のレイアウトを示したものです。

図1:スイッチング電源の入力回路レイアウト

 

電源の入力回路における電子部品は、電子機器を過電流や過電圧から保護したり、ノイズを抑制します。

突入電流/過電流保護
整流回路や電源ラインは、電源投入時にDCリンクコンデンサによってきわめて高い入力電流(突入電流)にさらされます。このため、極端な場合には整流回路のダイオードが破損したり、電源ヒューズが切れたりすることさえあります。

この問題はNTCサーミスタをICL(突入電流リミッタ)として利用することで回避でき、穏やかなパワーアップが可能になります。NTCサーミスタは、電源投入時の抵抗が比較的大きいため突入電流を制限し、電流で十分熱せられるにしたがい、抵抗が無視できる値にまで低下するからです。NTCサーミスタB57*S シリーズは、必要なあらゆる電流強度に対応するICLです。

PTCサーミスタは稼働中に短絡などがあった場合に過電流から保護します。過電流が流れると、PTCサーミスタは発熱して抵抗が増加するからです。PTCサーミスタは、ICLと同様、電源の入力ラインに直接挿入します。B5910*Jシリーズは、一般に利用される電流レベルをカバーしており、リード付きタイプまたはパッケージタイプが利用可能です。図2は、突入電流保護用NTCサーミスタ、過電流保護用PTCサーミスタ、そして複数の保護機能を組み合わせたバリスタETFVシリーズです。

図2:セラミックを用いた保護素子


左から:ICL-NTCサーミスタ、PTCサーミスタ、バリスタETFVシリーズ。いずれも、電源入力部において過電流や過電圧から保護する電子部品です。

風力発電や太陽光発電などの分散型発電システムでは、電圧変動や過電圧のリスクが特に増大します。これに対しバリスタを使用することで、きわめて安全な電源動作が確保できます。バリスタは特殊なセラミックスを利用した電子部品で、さらなる開発・改善が継続的に進められており、繰り返し印加される高電圧パルスに対応したタイプも利用できるようになっています。

ETFVシリーズのバリスタには、際立った特徴があります(図2の右側)。それは過負荷がかかると、素子が切断する温度ヒューズを統合して装備していることです。また、モニタ出力により不具合を検出することできます。さらには、すぐれた耐熱性・難燃設計により、同シリーズのバリスタはUL 94 V-0仕様をクリアしています。さらに、UL 1449 第3エディション、UL 60691、およびIEC 6 0950-1 Annex Qにも適合しています。ETFVバリスタは、回路基板クランプで接続できるため、メンテナンスを著しく簡素化できます。多様な接続形態と定格電力の多種多様なモノリシックバリスタに加えて、SMD型の積層バリスタも、電源機器の保護に適しています。

EMC対策の必須部品

TDKはEMC対策や回路保護のため、世界で最も広範多岐にわたるX-コンデンサ、Y-コンデンサ、およびコモンモードチョークを提供しています。B3292*、B3202*、B3291*、およびB81123シリーズのEMIコンデンサは、250 V AC~330 V ACを対象に設計されています。また、UL1414、UL1283、CSA C22.2、およびEN 60384-14に対応する認可も取得しています。

B827*シリーズは、多様な2段、3段、4段のコモンモードチョークです。電圧は250 V AC~690 V ACに及び、許容電流は0.25 A~200 Aとなっています。

低負荷の時でも最大の効率を得るために、スイッチング電源においてPFC(力率改善回路)の昇圧段は、整流回路の直後に接続されます。TDKのインダクタは最大効率を得るために最適な素子です。広範な電流容量の製品を取り揃えていて、リード付きタイプ、SMDタイプの双方が利用可能です。

図3:電源用EMC対策部品


X1-コンデンサB32913*シリーズ(左)と電流補償コモンモードチョークB82727*シリーズ(右)

図4:DCリンク回路、トランス、出力フィルタを用いたスイッチング電源の回路

 

電源の出力側において、電圧の平滑化に不可欠なのがコンデンサです。

DCリンク用コンデンサ

DCリンク用コンデンサ DCリンク回路のキーパーツであるコンデンサは、整流後に残るリップル電圧を平滑化して、DCリンク電圧を安定させます。この目的に最適なのがアルミニウム電解コンデンサです。CV値が高いため、きわめてコンパクトな電源を実現します。また、高リップル電流対応、低ESRおよび低ESLを特長とし、内部発熱を抑えることができます。リンク回路の必要な出力および電圧に応じて、2ピンもしくは4ピンのラジアルタイプまたはスナップインタイプが用いられます。これらのコンデンサは10V DC~600V DCまでの電圧領域をカバーし、最高使用温度は85 °C~140 °Cとなっています。

I新開発された2タイプのネジ端子付きアルミニウム電解コンデンサシリーズ(B43700*とB43720*)では、定格電圧が550 V DCから600 V DCに高まっています(図5)。また、静電容量は1200 µF~6800 µFの範囲をカバーし、最高使用温度は85 °Cでいずれも小型化を実現しています。

最高使用温度が85 °Cの新スナップインシリーズ(B43541*)も、定格電圧が以前の550V DCから600V DCへと高くなっており、静電容量は47 µF~330 µFとなっています。新製品の中でも定格電圧が高い方のタイプでは、最高使用温度が105 °Cとなっています。ネジ端子付きタイプは、定格電圧が以前の450 V DCから500 V DCになり、スナップインタイプでは500 V DCが550 V DCに高まりました。このように定格電圧の大幅な増加に伴い、リンク回路に接続するコンデンサ数を減らすことができ、コストのみならず実装面積も低減することができます。

図5:アルミニウム電解コンデンサ(定格電圧600V)
B43700*およびB43720*シリーズのアルミニウム電解コンデンサの定格電圧は600Vで、各種電源および工業用コンバータなどに最適です。

このほか MKPフィルムコンデンサもまた、DCリンクの安定化に用いることができます。B3267*(ハイパワー)シリーズまたはB3277*(高密度)シリーズは、この目的に最適です。定格電圧は450 V DC~1300 V DC、静電容量は0.47 µF~110 µFの範囲をカバーし、他のフィルムコンデンサと同様、使用寿命がきわめて長いのが特長です。この製品も自己修復型ですので、過電圧で生じた絶縁破壊により金属膜の局所的な蒸発が生じても、コンデンサの機能は全く変わりません。

スイッチング電源において、さまざまな出力電圧レベルを得るために、MOSFETスイッチングによるB78*シリーズのトランスが使われます。さまざまなコア形状のものが、SMDタイプやPTH(めっきスルーホール)タイプの製品として取り揃えています。外形はコンパクトですが、最大200 Wの出力が可能で、また複数の出力に対応できるバージョンもあります。e-モビリティプラットホームシリーズの新型チョークコイルおよびトランスは注目の製品です。HEV/EVの車載充電器(OBC)用に特別に開発されたもので、外形がコンパクトなのはもちろん、損失の小さいことが際立った特長です。

整流後の出力電圧の平滑化のためにインダクタが使われます。SMTインダクタB8246*、8247*、B8255*シリーズは、この目的に最適です。定格電流が0.11 A~71 Aのシールド付きバージョンおよびシールドなしバージョンにより、多種多様なタイプを取り揃えています。フラットなワイヤを巻線した高電流対応タイプのインダクタは、銅線の重点密度がきわめて高く、高性能でありながら小型化を実現しており、この目的に理想的です。アルミニウム電解コンデンサB41*シリーズまたはフィルムコンデンサは、電圧の平滑に推奨されます。

スイッチング電源の正確な制御に、電流センサは欠くことができません。B82801*シリーズはこの目的で開発されました。このシリーズのセンサは、変圧比が1:20~1:125、電流が7 A~40 Aの範囲で利用できます。

表:電源用電子部品のラインナップ

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