2012年11月

スマートフォンなどモバイル機器向け積層バリスタ

過電圧や静電気から回路を守る小型電子部品

EPCOS積層バリスタMLVは、過電圧やESD(静電気放電)から回路を守るために最適な保護素子です。小型形状、優れた熱挙動、低クランプ電圧、低コストなどを特長とし、TVSダイオードなどのサージ吸収素子と比較して、優れたソリューションを提供します。


スマートフォンなどのモバイル機器はじめ、家庭機器、産業機器、自動車電装用機器などの電子回路は、過電圧と静電気放電(ESD)に敏感で、過渡電圧の強さに応じて、回路が誤動作を起こしたり、最悪の場合には完全な故障が発生するおそれがあります。このような過渡電圧から回路を保護するために、TVSダイオード(過渡電圧サプレッサ)などが使用されています。しかし、スマートフォンなどのモバイル機器の小型・高速化に対応するために使用される先進のチップセットは、ESDや過電圧に対してますます敏感になっています。

こうした背景のもと、TVSダイオードに替わる効果的な保護素子として提供しているのがEPCOS積層バリスタMLVです。先進の素材技術、プロセス技術、設計技術などを駆使し、小型化とともに、きわめて低いクランプ電圧および静電容量を実現しています。回路保護素子としてのTVSダイオードとEPCOS積層バリスタMLVとの特性比較は、クランプ電圧とリーク電流が中心となりますが、モバイル機器の回路の高密度化を考えれば、保護素子の選択において、寸法・形状が重要な要素となるのは明らかです。EPCOS積層バリスタMLVは、300 µm程度の薄さを実現しており、TVSダイオードと比較して、その体積あたりのエネルギー吸収能力は非常に優れたものとなっています。このため、EPCOS積層バリスタMLVは設計上の省スペースを提供することができ、またコスト面でも魅力的な代替技術です。

図1:EPCOS積層バリスタMLVとTVSダイオードの構造

この図は、TVSダイオードがその体積の30%までしかエネルギーを吸収しないことに対し、EPCOS MLVでは80%にも上ることを示しています。これにより、理想的なパフォーマンスを可能にする大幅な省スペースが実現します。


EPCOS積層バリスタMLVは、温度ディレーティングに関しても大きな利点を有しています。この素子のディレーティング温度は85℃で、特殊タイプの場合、この値は150℃にもなります。これはスマートフォンの設計に関する極めて重要な要素となっています。これらの機器内部ではパワーアンプの散逸損失が原因となり、85℃まで温度上昇する可能性があるからです。TVSダイオードでは、デレーティングは25℃から始まり、85℃においてその吸収力は、正常値の50%にまで落ち込みます(図2)。したがって、高い動作温度を制御することに関していえば、EPCOS積層バリスタMLVの使用が優れたソリューションであることは明らかです。この挙動は、測定およびシミュレーションにより確認済みであり、スマートフォンのメーカ-もこれを認めています。

図2:EPCOS積層バリスタMLVとTVSダイオードの温度ディレーティングの比較

EPCOS積層バリスタMLVは、25℃を大きく上回る温度環境においても、引き続き信頼性のあるESD保護を提供します。一方、TVSダイオードでは、ディレーティングがすでに25℃で始まっており、高温環境においては深刻なパフォーマンスの低下を引き起こします。


先進技術が集約されたEPCOS積層バリスタMLVは、同等特性クラスのTVSダイオードと比較して、挿入損失の面で非常に優れており、その寄生インダクタンスは非常に低くなります。この点においてTVSダイオードの使用が不利となるのは、TVSダイオードは端子を備えた筐体と内部結合結線が必要となることに由来します。たとえば、新製品MLV0201シリーズ(図3)の0.1 nHという非常に低いインダクタンスは、クランプ電圧に関して良好な効果をもたらします。積層バリスタMLVは、ESDパルス電圧の上昇とともに良好なパフォーマンスを示し、この場合のクランプ電圧はTVSダイオードと比較して10%から30%ほど低くなります。また、積層バリスタMLVのレスポンスタイムは、ナノ秒オーダーというきわめて高速であることも大きな特長です。これはTVSダイオードと比較して約30%も高速です。

図3:EPCOS積層バリスタMLV0201

新製品 EPCOS積層バリスタMLV0201シリーズの主要データ

寸法 [mm]

バリスタ電圧 [DC]

静電容量 [pF]

リーク電流 [µA]

クランプ電圧 (1A) [V]

ピーク電圧 (8 kV接点) [V]

0.6 × 0.3

13 から 22

7 から 15

0.1

33 から 66

60 から 80

図4:ESDパルス電圧とクランプ電圧の関係

EPCOS積層バリスタMLVは、ESDパルス電圧が特に高い環境において、TVSダイオードと比較してきわめて低いクランプ電圧を示します。


新製品“EPCOS積層バリスタMLV0201シリーズ”の優れた特性
静電気放電はナノ秒オーダーのきわめて動的なプロセスであるため、保護素子の挙動のみを分離して考慮することはできません。むしろ、周辺機器やシステム全体の相互作用を計算に入れる必要があります。基板のレイアウトに加えて、他のディスクリード部品やコネクタを考慮に入れる必要があります。図5は、スマートフォンの回路で使用される新製品“EPCOS積層バリスタMLV0201シリーズ”を、競合他社製品と比較した結果を示しています。同一の設計、同一の電気的数値の回路において、そのパフォーマンスの差異はきわめて明らかです。ヘッドフォンや電源のオン/オフのような敏感な入力インターフェイスにおいて、MLV0201シリーズは、各メーカーのさまざまな世代のスマートフォンのほとんどにおいて、きわめて優れたESD保護を示しています。また、積層バリスタMLVのピーク電圧とクランプ電圧は、競合他社の製品と比べても、非常に優れた数値を示しています。

図5:新製品“EPCOS積層バリスタMLV0201シリーズ”と競合他社製品との特性比較

新製品“EPCOS積層バリスタMLV0201シリーズ“のピーク電圧とクランプ電圧は、競合他社の製品と比較して、きわめて優れた値を示しています。

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