20年におよぶ中国製インダクタとEMCフィルタの成功

過去20年間で中国の紅旗工場は高度に自動化された生産拠点に進化し、今日ではTDKマグネティクスビジネスグループの主力工場の1つになっています。これまでは主に標準的な製品に焦点を当ててきましたが、現在、この工場はお客様のご要望に沿ったソリューションの開発・提案に注力しています。

TDKの紅旗工場は約5,500人の従業員を雇用しており、66,000平方メートルのスペースを誇っています。巻線インダクタ、トランス、データおよび電源ライン用EMCフィルタなど、幅広いEPCOS製品がここで作られています。2009年にはTDKの信号ライン用EMCフィルタの生産を開始しました。今回は、理想的なプロセスに基づいて優れた製品を生産する能力を育成するために、「モノづくり」や「あるべき姿」などの日本のTDKの生産原則も導入しました。工場ではTDKコモンモードチョークの3つの製品グループを製造しており、これらの製品はデータ伝送の円滑化のため自動車に使用されています。これらの製品のほとんどは日本の自動車関連業者に出荷されています。

図 1:

紅旗工場では、トランス、巻線インダクタ、信号ライン用EMCフィルタ、電源ライン用EMCフィルタなど幅広い製品を製造しています。

紅旗工場では、トランス、巻線インダクタ、信号ライン用EMCフィルタ、電源ライン用EMCフィルタなど幅広い製品を製造しています。

高度に自動化された生産と、成長を遂げるR&D

紅旗工場は、工程を改善し製品の品質をより高めるために絶えず投資を行っています。SPC（Statistical Process Control）やQRQC（Quick Response Quality Control）などが確立され、製品にばらつきがあった場合に迅速に介入できるようになりました。自動化の度合いはすでに高度で、継続的に向上しています。特にロボットの使用が増加しています。また、高度に熟練した労働者が多数雇用されており、その多くはエンジニアと専門技術者です。彼らの仕事は、工程を最適化し、生産ワークフローをインダストリー4.0の原則に適応させることです。

図 2:

生産ラインのロボットの数は増加している。

生産ラインのロボットの数は増加している。

この拠点には独自のR&D部門もあり、世界有数の風力タービンメーカーで中国のマーケットリーダーであるGoldwind向けの電源ライン用EMCフィルタなど、中国で製造されるカスタム製品を開発しています。Goldwindは最近、パートナー間の優れたコラボレーションの証拠として「Technical Cooperation Award 2016」をEPCOSの販売会社に授与しました。今後、紅旗工場は中国の自動車製造業界のお客様のニーズに合わせた製品開発も進めます。

自動車60％、輸出60％

紅旗工場は現在、年間約8億個の部品を出荷しています。このうち60％を購入する最大の顧客は自動車業界です。例えば、EPCOSトランスはパーキングアシストシステムに取り付けられた距離センサに使用されます。また、30％は産業用電子機器の顧客に出荷されます。これには風力タービン用の電源ライン用EMCフィルタ、マイクロソーラーインバータ用のトランスなどが含まれます。残りの10％（信号ライン用EMCフィルタなど）は情報通信技術の顧客に出荷されます。

紅旗工場で製造された製品のほぼ3分の2は、主にヨーロッパおよびNAFTA地域の顧客に輸出されています。

トップクラスの物流パフォーマンス

世界最大の物流拠点の1つである香港が、わずか数キロメートルの距離にあります。急成長する珠江デルタの工業地帯という優れた立地条件は、紅旗工場がお客様に最適な物流パフォーマンスを提供できることを意味します。

さらに、華南のこの地域には工場のサプライヤーが多く存在しているため、工場は優れたジャストインタイ生産と最善のリードタイムを実現しています。

中国、紅旗工場の概要

製品

誘導部品

• トランス
• 信号ライン用インダクタ
• 電源ライン用インダクタ

EMCフィルタ

• 信号ライン用EMCフィルタ
• 電源ライン用EMCフィルタ

認証

• ISO 9001
• ISO/TS 16949
• ISO 14001

沿革